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講師インタビュー
日本能率協会専任講師 シマックス経営研究所 代表 島田 一弘

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「なぜなぜ分析課題解決セミナー」講師に聞く
「なぜ? なぜ? なぜ?」で考える習慣を身に付け人や組織の成長につなげる

日本能率協会専任講師 シマックス経営研究所 代表 島田 一弘

取材先:日本能率協会専任講師
シマックス経営研究所 代表
島田 一弘

「なぜなぜ分析」は、トラブルの是正処置をはじめとして、企業活動に伴うあらゆる問題について原因追究を行う際の有効なツールです。「なぜなぜ分析課題解決セミナー」の島田一弘講師は、長年、「なぜなぜ分析」を使って企業の現場で業務改善の指導をしてきた実績を持っています。

この経験を踏まえて、「なぜなぜ分析」によって考える習慣を身に付けることが、個人や所属組織全体の成長につながります、皆が『なぜ?』を考えるすばらしい会社を目指してください」と説いています。同氏に「なぜなぜ分析」を採り入れる際のポイントについて話を聞きました。ぜひ、参考にしてください。

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日々の仕事のレベルアップが実現

仕事を巡るさまざまな問題の解決に「なぜなぜ分析」を使う際のポイントについて教えてください。

「なぜなぜ分析」を問題解決のために利用することで、いろいろな成果が期待できます。まずは日々の仕事のレベルアップにつながります。あらゆる仕事はPDCAサイクルが伴いますが、このサイクルのCheckのプロセスで「なぜ? なぜ? なぜ?」と繰り返し、得られた情報を次のサイクルのPlanを作る際に参考にするのです。

こうすることで前回の反省を踏まえた取り組みになり、仕事のレベルアップが効果的に実現します。例えば「“なぜ”今日は歩留まりが悪かったのか?」「“なぜ”稼働率が良かったのか?」などと問いかけて、「明日は/次回はこうしよう」と日々の改善へと展開することで、より大きな成果につなげることができます。

別の言い方をすると、「なぜなぜ分析」によって、仕事の管理が「成り行き管理」から「計画管理」へ変わるということです。前者は成り行きのままに進めることであり、成果は予測できません。一方、計画管理は結果を含めてあらかじめ予測して、仕事を計画的に進めるものであり、同じ仕事内容でもその結果は自ずと違ってきます。

問題と要因の「見える化」から「新しい気づき」へ

次に、「なぜなぜ分析」では問題と要因の「見える化」がなされ、その内容を皆で共有し一緒に考えることを通して、「新しい気づき」につながります。また「見える化」によって「森を見て木を見る」ことになり、組織全体にとってベストな対策を採ることができます。

仕事は一人で行われるわけではありません。上司、部下、同僚、発注先、発注元、そしてとりわけ重要な存在である顧客など、さまざまな利害関係者とコミュニケーションをとりながら進めるものです。その際、「見えない」「分からない」といった状況が続くことで、お互いに不信感を抱くケースがよくあります。

そこで「なぜなぜ分析」ではお互いに考えていることをラベルに書いた上で、それらを整理していきます。このように「見える化」を行うことで、各々が考えていること、すなわち悩みや課題が明確になり、何が不足してうまくいかないのか、原因が分かってくるのです。また、悩みや課題の情報共有を通して、「新しい気づき」につながることも多くあります。さらに「見える化」によってお互いの気持ちが通じてくるので、以後の仕事がよりスムーズになります。

ただ注意点としては、「なぜ? なぜ? なぜ?」と聞いていく際、「“なぜ”できないのか?」などと相手を非難しないことです。「なぜなぜ分析」は人を責める道具ではありません。一連のやりとりでは「一緒に考える」ことが重要であり、そうすることで、先ほどの「新しい気づき」につながっていくのです。また、「なぜなぜ分析」では、問題対応について「もぐら叩き」に終始しないようにしてください。問題の要因を分類し、さらに掘り下げて「真因」を見つけるのが目的です。真因に対して手を打つことで、再発防止が可能になるからです。よくあるのが、形だけの原因分析で済ませて対策を打っているケースです。真因が把握されていなければ問題が再発する可能性が高くなってしまいます。「なぜなぜ分析」によって真因をつきとめる「是正処置」のより良いやり方が習得できます。

「なぜなぜ」は人材育成のための強力ツール

さらに、「なぜなぜ分析」は人材育成のツールであることを強調しておきます。モノゴトを「なぜ」と考えるクセがつけば、論理的な思考力が高まり、「考える人」づくりにつながります。「現状」と「良い状態」を比較することで、どこが違うのか、その要因は何かと掘り下げて「真因」に行き着くことができるので、打つべき手が見えてくる、こうしたことが人材の育成につながっていきます。
身近な使い方としては、1日の最後に「なぜ今日はうまくいったのか?」「なぜうまくいかなかったのか?」などと振り返ることが習慣化されれば、日々の工夫につながり、成果がすぐに出てくるので仕事が面白くなります。

「うまく進まないことの解決」で機能する

「なぜなぜ分析」の用途について教えてください。

「なぜなぜ分析」の用途は2つあります。まずは「トラブルの解決」です。例えば、工場の生産設備が故障した場合、機器の構成要素をもとに、「なぜ? なぜ? なぜ?」で掘り下げていきます。不良トラブルが起きているなら製造工程にさかのぼって、4M(材料、設備、人、方法)の観点から、バラツク要因を探って見つけ、対策をとるのです。ポイントは、具体的なトラブルについて「なぜなぜ分析」をやる場合、発生状況に関する情報を参考にすることです。

「なぜなぜ分析」のもう一つの用途は、「うまく進まないことの解決」です。例えば「〇○の整理・整頓ができていない」「会議時間が長い」「故障トラブルが減らない」などと、うまくいっていない事象の解決に使うのです。現在の活動の中で、「なぜ?」で不足している事柄を見つけて、行動計画を立てて対策を進めることで、より良い改善に結びつけることができます。

「なぜなぜ分析」を目標管理でも活用

「なぜなぜ分析」を会社として導入する場合、どういう場面がよいでしょうか。

個人や部門、あるいは会社組織全体において目標管理をやっておられる場合、未達の場合の原因を調べる際に「なぜなぜ分析」の活用をお勧めします。例えば個人の場合、うまくいかずに目標まで至らなかったなら、「なぜ?」を重ねて真因を考えて、もう一度挑戦してみるのです。

ここで成功することで、達成感を含めて大きな自信になります。まずは小さな成功体験が大切なので、対象とする目標は身近なものでもいいでしょう。もちろん、せっかくの活用の機会なので、会社として行っている目標管理のテーマで利用してみると面白いと思います。

5回繰り返す「5WHY」までやる

会社内で「なぜなぜ分析」研修をやる場合、注意点などありますか。

皆さんにやってもらう際、「なぜ? なぜ? なぜ?」の掘り下げは、対策が見えるレベルまでやることです。問題に対して主要因を整理した後、掘り下げていきますが、その際「なぜ」を5回繰り返す「5WHY」(ファイブ・ホワイ)までやるのです。もちろん、1〜2回で適切な対策が見つかったなら、そこまででよいでしょう。

また、できない理由のループに陥らないようにしてください。要因を書き出していくと、できない理由の列挙になることがありますが、このレベルで「なぜ?」を止めていたら問題解決にはつながりません。さらに「なぜ?」で掘り下げを行い、最後は、何が不足しているのか、どうしたらうまくいくのか、わかるところまで掘り下げていくことです。

その際、分析経験などが豊富な人材がいれば、しっかり掘り下げることができるので、職場に「なぜなぜ分析アドバイザー」役の人を設けて、一緒にやりとりに参加してもらうのも一つの良い方法です。以下に研修を企画する際のポイントをご紹介させていただきます。

研修のグループ編成

1グループの人数は3〜5人が適当、6人以上だと手持無沙汰の人がでてきてしまいます。リーダー、発表者、行動計画作成者などの分担を決めてスタートします。1テーマは45〜60分、なぜなぜ分析の掘り下げと対策、行動計画書がまとまったら、発表グループのホワイトボードの前に集まってもらい発表します。終わった後は、他グループから感想やコメントをもらうと「ツーウェイ・コミュニケーション」になり研修が活性化します。

研修準備道具

ホワイトボード、ラベル、記入用マジックなどを用意します。ホワイトボードにラベルを使ってまとめていくと、検討状況が「見える化」されて分かりやすいしアドバイスがしやすいです。また、議論はまずは参加者たちだけにやらせてみて、講師からのアドバイスは行き詰った場合にすることが大切です。

皆が「なぜ?」を考える組織へ

「なぜなぜ分析課題解決セミナー」参加者に理解して欲しい点を教えてください。

問題が起きたら、それらをすべて「教材」=勉強のネタとして「なぜなぜ分析」に取り組んでみることです。その際、三現主義(現場、現物、現実)でしっかりモノゴトを見て、どんなやり方をしていたのか、どんな時に発生したのか、こうした点をしっかりと把握してから、「なぜ? なぜ? なぜ?」を行ってください。

ただし、あくまでも「仕組み(やり方)を憎んで人を憎まず」の発想が大切です。「□□さんが悪い!」などと責めたてると本当のことを言ってくれなくなります。「仕組み(やり方)が悪かったので一緒に考えよう」という姿勢が大切です。

最後にひとつ、お伝えしたいことがあります。問題が発生した時、「人のせいにする」「逃げている」と、残念ながら人としての成長が止まってしまいます。問題が起きたら「なぜ? なぜ? なぜ?」を使って、考える習慣を身に付けることで、人や組織の成長につながるのです。皆が「なぜ?」を考えるような組織になれば、おもしろい会社になるはずです。ぜひとも「なぜなぜ分析」に積極的に挑戦していただきたいと考えています。

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【セミナー参加者の感想の一部です】

全員で議論しながら課題解決する形がとても良かったです。業務で実践しやすいようにいろいろ工夫されていました。

なぜなぜ分析に入る前の段取りなどについて、チーム毎に指導してくださり、大変ためになりました。

講義も演習もすべて心に残りました。良い勉強ができました。

なぜなぜ分析を進めるにあたってのポイントが分かりやすく説明してもらえました。できない理由のループになったときの脱出方法、行き詰った時の「なぜ? なぜ? なぜ?」が参考になりました。

他職種の方とのグループワークでは、さまざまな意見が聞けて参考になることばかりでした。資料が多く分析のコツやまとめ方がよく理解できました。

他職種の方とのグループワークでは、さまざまな意見が聞けて参考になることばかりでした。資料が多く分析のコツやまとめ方がよく理解できました。

【日本能率協会専任講師 シマックス経営研究所 代表】
島田 一弘(しまだ かずひろ)プロフィール
島田 一弘

日本能率協会にて、ものづくり革新、品質経営、業務改善、JIT-kaizenコストダウン、S、IE、QC、生産管理、QCD、総合生産性向上、目標管理、シングル段取、ポカよけミス防止などをテーマに各社の指導や研修を行う。
管理者・監督者・中堅社員の能力開発やリーダーシップ研修などの階層別研修分野においても活躍している。
2007年にシマックス経営研究所設立。
「現場・現物・現実」の三現主義に基づく課題解決指導は大変わかりやすく、成果に結びつくと好評である。

お問い合わせ先
一般社団法人日本能率協会 ISO研修事業部 お問い合わせはこちら

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